 まず、研修を実施する前に教育・研修の特性として、サービスの効果を計ることが非常に難しいということを理解しないといけない。
それは、サービス提供企業が有象無象に増える業界であることも意味し、開発の難しさも物語っている。さらに教育系のサービスには、全て言えることだが、何十年か前の教育メソッドでも教育を受けた気になってしまうという点(本質的に効果があれば問題ないが、概して“精神論”しか訴求しない研修が多い)から、研修提供企業の中には使い古しの研修を提供している所が存在する。
もちろん、名前を変え、売り方を変えながらだが。 |
 そういうわけで、大企業が提供するから効果が出る、ベンチャー企業が提供するから効果が出ない、というわけではまったくない。むしろ、大企業だから昔の方法で研修を提供している、ベンチャー企業だから、まったく新しいアプローチで研修を提供しているといった傾向が強いのではないだろうか。
では、その新しいアプローチを日々行おうとしているか否かは、どこで判断するのか。ということになるが、その両者の違いはとても明確だ。
まず、研修開発に余念が無い企業のコンサルタントは、クライアントに対し、「何が問題で、どのような姿にすべきですか。またそのためにはあなたはどうしたらいいと思いますか。」と必ずクライアントから情報を引き出そうとする。なぜなら、そのような質問を通して「顧客の潜在ニーズを常に掘り起こし、自分が日々漠然と感じているニーズと顧客が直に感じているニーズ」を刷り合わせようとするからである。
これに対し、過去のメソッドに引きずられている企業は「何が問題ですか。そのような問題であれば、このサービスです。」と一問一答で返してくる。遠い昔に得た顧客ニーズは未来永劫変わらないという完全な固定概念が頭から離れず、クライアントから勉強をするという行為を忘れ、売るという行為に囚われているのだ。あなたが研修を外部に頼む場合は、ぜひ上記のことを考えていてもらいたい。 |